『ふたりはプリキュア』は、2004年に放送が始まり、その後20年以上続く大ヒットシリーズへと成長しました。
しかし、当初は単発で終了する予定だったという事実があります。
では、もし『ふたりはプリキュア』が1年で終わっていたら、今のような人気にはならなかったのでしょうか?
本記事では、シリーズ化されなかった場合の可能性を考察しながら、プリキュアがどのようにして今の成功を手に入れたのかを見ていきます。
『ふたりはプリキュア』誕生の背景
『ふたりはプリキュア』が放送される前、東映アニメーションは「明日のナージャ」というアニメを制作していましたが、商業的には成功を収めることができませんでした。
そのため、「ふたりはプリキュア」は東映にとって大きなチャレンジでした。プロデューサーの鷲尾天氏は、ヒロイン2人が協力して戦う「バディもの」という新しいコンセプトを提案し、シリーズがスタートしました。
しかし、最初の1年で終了する予定であったこの作品が、シリーズ化されることとなり、その後のアニメ史に大きな影響を与えました。
もし、1年で終了していたら、プリキュアがここまでの成功を収めることはなかった可能性が高いです。
単発で終わった場合、人気はどうなっていた?
商業的な成功への影響
『ふたりはプリキュア』が1年で終わっていた場合、商業的な成功は限定的だったかもしれません。
シリーズ化されることで、プリキュアは続編や新キャラクター、新しいコンセプトを取り入れ、常に進化し続けることができました。
特に「Yes! プリキュア5」での多人数ヒロイン制の導入や、シリーズごとの異なる設定は、長期的なファン層を獲得するために重要な要素でした。
シリーズ化によってキャラクター商品や玩具の展開も拡大し、特に玩具業界においてプリキュアの人気が長期にわたり維持されました。
毎年新しいキャラクターが登場することで、子供たちの興味を引き続けることができたのです。
もしシリーズ化がされていなかったら、こうした商業的成功も短命に終わっていた可能性があります。
キャラクターの成長と共感
シリーズ化によって、プリキュアのキャラクターたちが長期的に成長する姿を描くことが可能になりました。初代『ふたりはプリキュア』では、なぎさとほのかの成長や友情が物語の中心に据えられ、視聴者は彼女たちの葛藤や絆に共感することができました。
もし、これが1年で終了していたら、キャラクターの成長や深みが十分に描かれることはなかったでしょう。
続編の『Max Heart』や後のシリーズでは、キャラクターたちが新たな試練に直面し、それに打ち勝つ姿が描かれることで、さらに多くの視聴者を魅了しました。
シリーズ化により、視聴者はキャラクターとの長期的な関係を築くことができ、その結果、シリーズへの愛着が深まったのです。
社会的・文化的な影響
プリキュアシリーズは、単なるアニメ作品にとどまらず、少女たちに「自立」や「友情」の大切さを教える社会的メッセージも持っています。
特に初期の『ふたりはプリキュア』では、従来の「魔法少女アニメ」とは一線を画し、ヒロインたちが自らの力で敵に立ち向かう姿が描かれました。
このような社会的メッセージが広がったのは、シリーズが長期にわたって続いたことが大きな要因です。
もし、1年で終了していた場合、こうした影響力は限られたものになっていた可能性があります。
シリーズ化によって、プリキュアは「強い少女像」の代名詞となり、女児だけでなく幅広い世代に支持される作品へと成長しました。
シリーズ化による成功の鍵
新しいアイデアの導入
『ふたりはプリキュア』の成功は、シリーズ化によってさまざまな新しいアイデアが導入されたことにあります。
例えば、スーパー戦隊のように毎年異なるキャラクターとストーリーを展開する「変則シリーズ化」が成功の鍵でした。
シリーズのたびに新しいプリキュアが登場し、視聴者は新たな物語に毎年引き込まれていきました。
シリーズ化のもう一つの重要な要素は、多様なテーマを取り入れることで、異なる年齢層や視聴者層に訴求することです。
たとえば、『HUGっと!プリキュア』では「働く女性の応援」というテーマが取り入れられたり、男の子のプリキュアが登場するなど、常に時代のニーズに応じて進化してきました。
世界観の拡張とオールスター展開
また、プリキュアシリーズは、シリーズ間のコラボレーションやオールスター展開によっても成功を収めました。
毎年開催される「プリキュア映画」は、過去のシリーズのキャラクターたちが一堂に会することで、長年のファンを喜ばせると同時に、新規ファンも取り込むことに成功しています。
このような広がりを持つ展開は、単発作品では成し得なかったでしょう。
まとめ
『ふたりはプリキュア』が1年で終了していた場合、ここまでの成功や人気は得られなかった可能性が高いです。
シリーズ化により、キャラクターやテーマの多様化、商業的な成功、社会的影響力が拡大し、20年以上続くロングランシリーズとして成長しました。
プリキュアは、単なるアニメ以上の存在となり、毎年進化し続けることで幅広い視聴者層を魅了し続けています。
もし1年で終わっていたら、これほどの影響力を持つアニメとしての地位を築くことは難しかったでしょう。
参考リンク:nlab.itmedia.co.jp, cocreco.kodansha.co.jp, pixiv.net