映画『ザ・マミー』(2017年)は、トム・クルーズ主演によるリブート作品で、ユニバーサル・モンスターズの「ダークユニバース」シリーズの一環として公開されました。しかし、映画は期待されていたほどの成功を収めることができず、批評家や観客からの評価は賛否両論でした。
あらすじ(※ネタバレあり)
物語は、古代エジプトの王女アマネット(ソフィア・ブテラ)が、裏切りによって封印された後、現代に蘇り、世界に破壊をもたらすというものです。トム・クルーズ演じるニック・モートンは、偶然にもアマネットの墓を発見し、彼女の復活に巻き込まれます。物語は、ロンドンやエジプトの砂漠を舞台に、彼と考古学者ジェニー(アナベル・ウォーリス)がアマネットを阻止しようと奮闘する様子を描いています。また、ラッセル・クロウ演じるヘンリー・ジキル博士も登場し、彼のダークユニバース計画の一部として、モンスターたちの存在を示唆しています。
感想と考察
この映画の最大の魅力は、ビジュアル面でのスケール感とアクションシーンです。特に、砂嵐や飛行機の墜落シーンなどの大規模なセットピースは視覚的にインパクトがあり、アクションファンには楽しめる要素があります。ソフィア・ブテラ演じるアマネットは、その妖艶な存在感で観客を引きつけますが、キャラクター自体の深みが不足しており、物語の進行につれてその魅力が薄れていくという意見もあります(
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一方で、ストーリーに関しては多くの批判がありました。映画はホラー、アクション、コメディなど複数のジャンルをミックスしようと試みていますが、そのバランスがうまく取れていないと感じる観客が多くいました。特に、ホラーシーンの緊張感がすぐにアクションやコメディで台無しにされることがあり、トーンが安定しないという問題点が指摘されています(
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また、トム・クルーズのキャラクターであるニック・モートンに対する評価も分かれています。クルーズの演技自体は評価されていますが、ニックのキャラクターがあまりに薄っぺらく、観客が感情移入しにくいという声もありました。彼の役柄は、他の冒険映画のヒーローと比較しても魅力に欠け、キャラクターの成長や個性が十分に描かれていないと感じる人が多いです(
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評価と口コミ
『ザ・マミー』は、ユニバーサルの「ダークユニバース」シリーズの幕開けとして期待されていましたが、興行成績と批評家からの評価は厳しいものでした。特に、映画が次々と別の要素に手を出すことで、統一感に欠け、物語が散漫になっているという指摘が多く見られました。また、ホラー映画としての怖さや緊張感が薄く、特にモンスター映画としての魅力に欠けていると感じた観客も多かったです(
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一方で、映画のビジュアルや大規模なアクションシーンを楽しんだという観客も少なからずおり、娯楽作品としては一定の評価を受けています。しかし、キャラクターの魅力不足や物語のまとまりのなさが、シリーズ全体の方向性に不安を感じさせる要因となっているのは否めません(
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まとめ
『ザ・マミー』は、ビジュアルやアクションの面で楽しめる要素を提供しているものの、ストーリーやキャラクターの深みが不足しているため、映画としての完成度に欠けています。特に、ダークユニバースの始まりとしての期待が大きかった分、その結果はやや期待外れと言わざるを得ません。それでも、アクション映画やトム・クルーズのファンには楽しめる部分もあり、今後のシリーズ展開に期待する声も残されています。